事実婚の契約書&遺言作成にかかった費用
こんにちは。くりぃむです。
今回は、事実婚の書類作成にかかった費用をまとめておきます。
作成した書類
準備したのは以下の3種類です。
(1)準婚姻契約書(宣誓認証)
夫婦である意思表示をし、お互いの責任を確認するもの。「宣誓認証」は、公証人の前で契約の内容が真実だと宣誓する形式。
(2)遺言書(公正証書)
夫→妻、妻→夫の2通作成。配偶者に遺産を渡せるようにしておく。
(3)任意後見等契約(公正証書)
夫→妻、妻→夫の2通。配偶者を後見人に指名する。[通常時][判断能力がなくなった時][死後]の3契約をまとめたもの。
詳しい内容はこちら↓
概要&スケジュール
今回は事実婚・夫婦関係が専門の行政書士さんにリモートで依頼しました。
文書作成&公証役場との打ち合わせはすべておまかせ。
ビデオ通話とメールでやりとりをして、手続き終了まで約3か月かかりました。
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1月末 行政書士さんと面談(ビデオ通話)
2月 作成開始…住民票などを集める&契約内容のチェック
3月 準婚姻契約書を認証、住民票統一
4月 遺言書、任意後見契約を認証
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実際にかかった金額
1.公証役場での手数料 18万7650円
契約書の認証に必要な手数料の合計です。
内訳はこちら↓
・文書の枚数や、遺言に記載する財産の額で料金が変わります。財産が多いと手数料も多い。今回は30代2人世帯の平均くらいだと思います。
・証人日当は、遺言の立会人に払うもの。役場に派遣してもらうと必要になります。知人に頼めば不要。
・住民票などの準備に、別途2000円ほどかかりました。
(印鑑証明×2、戸籍謄本×2、住民票×2、郵便料)
2.行政書士への作成依頼 38万5000円
書類作成は行政書士さんに依頼しました。
依頼料の内訳です↓
・行政書士さんに依頼し、基本はメールでやりとり。
・カウンセリング、書類作成、公証役場との打合せを全て依頼した場合の金額。専門家に全部お任せするとこれくらい、というイメージです。
・書類は自分たちで作成することも可能です。
3.総額 およそ57万円…!
一気にそろえるとなかなかの額に…
お金がないときは
書類を自分たちで作る
【2.行政書士への作成依頼】が不要なので、手間はかかりますが金額はかなりおさえられます。その場合は、作った書類をもとに、直接公証役場と打合せをすることになります。心配であれば、内容のチェックのみ依頼できる行政書士さんもいるようです。
個人的には、ひな形さえあれば、夫婦で話し合って進めることも十分できると思います。一方で、行政書士さんにお願いすると、調べる時間が省けて圧倒的にラク。専門家におまかせしている安心感がありました。
ライフステージに合わせて少しずつ準備する
全部の書類を一度にそろえる必要はありません。今回お世話になった行政書士さんによれば、お互いの年齢や子供の成長に合わせて順番にそろえる方も多いそうです。その場合は、”〇年後に××を作る””子供が生まれたら契約を見直す”と決めておくと良いとのこと。
私が遺言書を作った時も、行政書士さんや役場の方は「まあ、元気なお二人にはまだ先のことですが…」という感じでした。ただ、今回は突然の事故・病気のこと考えて、できるものは全て準備することにしました。
まとめ
これだけお金をかけてそろえても、税金面で不利だったり、いざというときの不安があったりします。周りの人に「事実婚しちゃいなよ!」と気軽にオススメできる額ではないな…というのが正直な感想です。
一方で、お互いの姓を大事にしたくてこの形にしたので、名前に関するストレスは全くありません。改姓手続きもなくて超ラク!!また、夫婦関係も良好です。話し合いや手続きを乗り越えて「お互いを尊重したい」と確認しあえたことが、パートナーとの信頼感につながっています。
【結論】選択的夫婦別姓婚はやく~~~
家父長制実家&ネットワーク型実家 夫婦で感じたコミュニケーションの違い
こんにちは。くりぃむです。
結婚についてパートナーや親と話し合う時、「何でこんなに話が嚙み合わないの?」と感じることがありませんか?
私自身もそんな経験があります。いつもは普通に会話しているのに、結婚や姓選択の話になると、なぜか全く話が噛み合わなくなってしまいました。
いろいろと話し合うなかで、「家父長制家族」と「ネットワーク型家族」の違いが噛み合わなさの根本にあるとわかりました。
今回は、私が感じた両者の違いを、コミュニケーションスタイルに注目して挙げていきます。あくまで私たち夫婦の例ですが、参考になればうれしいです。
家父長制家族とネットワーク型家族
そもそも「家父長制家族」と「ネットワーク型家族」とはどのようなものでしょうか。
※「家父長制」に対応する良い言葉が見つからなかったので、仮に「ネットワーク型」としておきます。良い表現ないかな…。
★夫実家のイメージ
・家父長制家族
・父親のトップダウン
・それぞれが性別・年齢で決められた「役割」に従って動く
(父=稼ぐ・決める 母=家事育児・夫を支える など)
・会社でいう「ピラミッド型組織」
☆妻実家のイメージ
・ジェンダーフリー&年功序列フリー家族
・それぞれが自分の人生の責任者
・各々の能力を生かしてお互いに助け合う
・会社でいう「ネットワーク型組織」
コミュニケーションにおいて、前者は「黙々と役割をこなす」、後者は「なんでも話し合って決める」が基本です。お互いがどんな価値観の中で育ったかわかれば、話し合うヒントになるかもしれません。
ちなみに、私は珍しい名字に愛着があって妻氏婚を希望していました。しかし、夫の両親は大反対。両家の親も交えて1年半話し合い、両方の希望を尊重して事実婚しました。今回のブログは、その時の経験をもとに書いていきます。
コミュニケーションスタイルの違い
では、家族の違いは、コミュニケーションスタイルにどのような差を生み出しているのでしょうか。例として、夫実家(★)私実家(☆)の違いを挙げていきます。
1.「察する」か「言葉にする」か
★「察する」
家父長制である夫実家では、「察する/察してもらう」のが基本スタイルです。父(夫)、母(妻)、男子、女子という役割に従うことが良しとされます。重要なことは父親が決めるので、意見をすり合わせる必要はあまりありません。
また、ふだん空気感でコミュニケーションをしている分、「言葉にする=決定的で覆せない」というイメージがあるようです。
(例)「父親が嫌と言ったから〇〇は無理。」
(例)「言葉にするとけんかになるから、話し合いはできない。」
一方で、雰囲気を察する力は磨かれていて、実際に会うことで感じ取ってもらえることは多かったです。(特に義母)
☆「言葉にする」
私の実家では、「自分の考えは言葉で伝える」というスタンスです。決まりきった役割がなく、家族の関係はコミュニケーションの積み重ねで築かれています。いつも意見交換しているので、言葉そのものはそこまで重たくありません。「今はこう考えている」というくらいの感じです。
(例)「父親は〇〇だと言っている。自分は××だと思う。あなたは?」
(例)「伝え合わないと状況が整理できないので何も決められない。」
2.「家の意見」か「本人の意見」か
★「家の意見」を話す
トップの決定を忠実に実行する組織が家父長制です。そのため、家長の意見と自分の意思の区別があまりありません。
たとえば、夫が話す言葉には主語がなく、義父/義母/夫、だれの意見を話しているのかがよくわかりませんでした。別のものだという感覚があまりなかったようです。
また、義母は妻氏婚に賛成だと聞いていました。しかし、義父が反対だとわかったとたん、最初から反対だったかのような態度で猛反対したのです。そこに「家長が反対だから」以外の理由はなく、「なぜそう思うんですか?」と追及しても本人を苦しめるだけのようです。
パートナーに対しては、新しい家庭を築くのだから自分の言葉で考えて欲しい、と伝えればよいと思います。それ以外の人々を説得したいのであれば、家長の意見を変える必要があります。
☆「本人の意見」を話す
各自で考えて各自で行動しているので、当然、夫婦や親子で意見が違うこともあります。その場合は、周りの意見も考慮したうえで本人が判断します。
「家のこと=父親が決めたこと」という夫実家にとっては、私自身が妻氏婚を希望しているということが驚きだったようです。相手の感覚に合わせるのもアリですが、私の場合は「最終的に本人が判断します」とはっきり示す方が上手くいきました。
3.「結論がすべて」か「理由が大事」か
★結論を重視する
「父親」「伝統」など、従うべき基準がはっきりしています。そのため、話し合いの過程や理由よりも、「従うのか従わないのか」が問題になってきます。権威に従った結論なら〇、そうでないなら×という感じです。
(例)「話し合ったとしても、結局どちらかに決めることになる。」
(だったら伝統的に夫家に従うべき)(例)「こちらの主張が通らないと納得できない。」
☆理由を重視する
決まりきった基準はなく、お互いが納得するかどうかが重要です。自分と相手の意見をすり合わせるため、理由や話し合う過程そのものを大切にします。
話し合わなければ結論は出せない、という考え方でもあります。
(例)「どちらになるとしても、話し合ってお互い納得することが大事」
(例)「自分の主張が100%通るとは思わないが、~~という理由は納得できない」
私たちの場合、
夫「夫氏婚にするために話し合うの?それとも妻氏婚にするため?」
私「?????どうするか決めるために話し合うんだが…???」
というやりとりがありました。「話し合い」に対する考え方がそもそも食い違っている良い例だと思います。
4.「普通は〇〇」か「自分は〇〇」か
★権威を借りて話す
役割を超えて自己主張することがあまり良しとされません。そのため、世間や伝統などの権威を借りて意見を通そうとします。一般にその通りの場合もありますし、そうではない場合もあります。
(例)「普通は〇〇する」「昔からみんな〇〇してきた」
☆自分の判断を話す
何事も人それぞれ、ケースバイケースだと考えるので、「普通は〇〇」だけでは納得できません。常識を無視するというわけではなく、周りのことも考えて、自分の責任で判断するという意味です。ですが、「私はこう思う」が相手には「わがまま」「はみ出し者」と捉えられてしまうのが難しかったです。
5.「役割を果たす」か「関係を作る」か
★仲良くする=「良い〇〇」を演じる
役割によって、「良い夫婦はこうあるべき」のようなはっきりした理想像があります。理想通りの役割を全力で果たすことが”良い関係”である、という考え方です。
☆仲良くする=「良い関係」を模索する
仲良くなれるかどうかはお互いの努力次第だと考えます。親が毒親なら距離を置くべきだし、自分がひどいことをすれば、相手が家族でも嫌われてしまうでしょう。良い関係になるには距離感を模索し、仲良くしたい意思を相手に示す必要があります。
たとえば、夫実家を訪問した際、義母から次のようなことを言われました。
「よその家(私実家)の事情に振り回されるのは迷惑」
「これから家族として仲良くしていきましょうね」
言っていることが真逆でかなり戸惑いました。(よそ者扱いなのに家族として仲良くしたいとは…?)ですが、それは私が「仲良くできるかはお互いの態度次第」と考えているから起きる戸惑いです。
一方、義母は役割を守って生きています。「良き妻」として義父の意見を後押しし、「良き姑」として嫁を歓迎したので、矛盾はないのです。(当然、私にも義両親を慕う「良き嫁」を求めていることになります。)
結婚するとなると、二人の関係や役割はこれから作られることになります。異なる意見をすり合わせることになるので、いったんこれまでの枠組みから出て、パートナーとしっかり話し合うのが一番良いということになりますね。
最後に
いかがでしたか?両者のスタイルは真逆ですが、私も夫も自覚がなく、”みんなと同じだろう”と思っていました。結婚について話し合い、ようやく違いに気付くことができたのです。
価値観が違うからといって、無理に相手側に合わせる必要はありません。ですが、お互いのスタイルを理解したうえで、2人にとってはどんな形が最善かを考えていく必要があります。自分やパートナーはどちらの価値観で育ったのか、結婚後はどういう家族運営をしたいのか、ぜひ一度考えてみてください。
「姓を決めるのに性別の話は必須」と言われたとき
こんにちは。
今回は「姓を決めるのに性別の話は必須」をどう乗り越えたか、私の体験を振り返ってみます。
夫も始めは「姓を決める時に男か女かは避けて通れない話。性別の話をしたくないというのはフェアじゃない。」と言ってたけど、今は姓を決めるのに性別を持ち出すこと自体がフェアじゃないと理解してくれている。そういう風に考え方が変わったのはいつからなんだろう🤔
— くりぃむ@事実婚はじめました (@derisyaskurimu) 2021年6月12日
結局は、「自分にとって不利な契約にはサインしない」と納得してもらえたのが大きいと思います。
話し合いを始めたばかりのころ。
「男として産んだんだから改姓はさせられない」
「女性が名前をあきらめるのが普通」
と彼の両親から言われました。
私は、幼いころから「自分はあんまり”女の子らしく”ないんだな」と感じてきました。自分の性格は好きですが、「女性は〇〇すべき」と言われると、そんな自分を捨てろと迫られているように感じてしまいます。
「女性は〇〇すべき」は私にとって恐怖。そういう言葉は使わないでほしい。そうお願いしたのですが、彼から返ってきたのは次のような言葉でした。
「苗字の話をするのに性別の話は必ず出てくるもの。
妻氏婚したいのに性別の話はしたくない、というのはフェアじゃないと思うよ。」
彼がそう考えていた理由をまとめると次のような感じです。
・結婚したら夫の姓を名乗るのが普通。それにみんなが従ってきた。
・性別を無視するというのは我慢してきた人の思いを無駄にすること。
・両親も、息子が改姓するとは想像さえしていなかった。驚いて反発するのは当然。
・改姓したくないなら、親が頼みにくるとか、筋を通すべき
結婚したら夫の姓にするほうが多い、ということは私も理解しています。
ただ、だからと言って妻が改姓するべき、ということにはなりません。
これまでに辛い思いをした人がいるならそれは変えるべきです。
「結婚したら夫の姓にすることが多いから、息子の苗字が変わるなんて考えたことなかった。変わると想像すると寂しい気持ちがある。」→なるほど
— くりぃむ@事実婚はじめました (@derisyaskurimu) 2021年2月26日
「結婚式したら夫の姓にすることが多いから、息子の苗字が変わるなんて考えたことがなかった。だからあなたが変えるべき。」→わからない
また、結婚も契約の一種です。明らかに不平等な契約を結びたい人はいません。
(スマホの申込みで「値段は店の都合のみで決めます。通信料は月100万で。解約はできません。さあ契約してください!」と言われても契約しないのと同じ。破産する未来しか見えない。)
そして、2人で何かを決めるときに「何もせずとも意見が通る」「親が出てきて頼み込まなければならない」では、単純に負担の偏りがエグい。エグい負担の偏りを前提に契約すると、今後もその偏りを背負い続けることになります。そうなると長く健全な関係を続けていくことは難しい。
・「普通」と違うことを言われて彼親がびっくりしたのはわかる
・「普通は夫姓にする」は、エグい負担の偏りが前提になっている
・負担の偏り(エグい)が前提の契約にはサインできない。
・私自身が性別だけを理由に何かを決めることはない。
というわけで、最終的には「私と契約したいなら対等な契約でよろしく!」と宣言することになりました。
最終的には、姓選択に性別を持ち出すこと自体がアンフェアだと彼も納得してくれました。
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ちなみに、話し合いの中で「彼両親の差別的な考え方を改めてほしい」と言ってしまった時が、一番拒否感が大きかったです。「自分の家族のことを、何でそこまで言われなきゃいけないのか。不信感がある。」と彼にはっきり言われました。踏み込みすぎてしまったと反省。
ただ、その「普通」は不平等な構造になっているし、私自身は不利な契約は結ばない。そう伝えると、「その説明はすんなり納得できる」という感じでした。相手を変えようとするよりも私自身は何を重視するか、を伝えた方が話が早かったです。
よくある義両親とのすれ違い、かと思ったらジェンダーギャップの話だった
こんばんは。くりぃむです。
付き合って2年、出会ってからは10年以上になる彼と、今年3月に事実婚しました。
いざ結婚するとなると、実家挨拶の訪問日程や両家顔合わせなど、お互いの親を含めて話し合う機会も増えてきますよね。結婚前に交流があればスムーズですが、そうでなければ、実家ごとの習慣・考え方の違いに驚いてしまうこともあります。私自身も、相手の親との大きなすれ違いを経験しました。しかも、その原因は根深いジェンダー観の違いにあったのです。
問題が発覚したのは、数年間の遠距離恋愛を経て婚約し、同棲を始めたことです。結婚すると夫の姓に合わせる方が多いですが、私は珍しい苗字、かつ長女。付き合う以前から、結婚するなら妻姓にしたいと彼に話していました。しかし、彼の両親は改姓に反対。同棲前、私と彼は500km以上も離れて住んでおり、2か月に1度ゆっくり会えるかどうか。名前の件については、同棲してから彼ときちんと話し合うつもりでした。
ところが、一緒に住み始めた時、彼の両親はすでに激おこ状態だったのです・・・。
「いつまで親を待たせるのか」「心配をかけるな」と彼を叱責。私へのヘイトがたまり、「くりぃむは何も考えていない、自分勝手なわがままGirl(意訳)」と愚痴をこぼしていたそうです。
私ははじめ、すれ違いの原因は「時間感覚の違い」だと思っていました。(私=のんびり屋さん、彼両親=テキパキタイプなんだと思っていた)「いつまでに決めるかを明確にしなかったので、相手を不安にさせてしまった」と考えたのです。しかし、彼と話し合いを重ねる中で、本当の原因は違うということがわかってきました。
彼の両親が妻氏婚に反対だと聞いたとき、私や両親は、これから話し合って結論を出すのだろうと思っていました。一方、彼の両親は「男側の親がNoと言ったのだからそれで終了」という感覚だったことがわかったのです。夫婦対等と考えるか、決定権は男性にあると考えるかの差がすれ違いの原因でした。
結婚は異文化交流だとよく言われます。私自身も「同棲を始めたら、彼やその両親の考えをよく理解して話し合おう」と思っていました。でも、まさか、話し合う必要すらないと思われていたとは・・・。
特に現代は、ジェンダー観が大きく変化する過渡期にあります。昔ながらの男女観の人と、男女平等を自然だと感じる人が混在している状態だともいえるでしょう。結婚するうえで、相手側も自分と同じだろうと思いこまず、きちんと確かめておくことは大切です。
といいつつ、確かめるのは結構むずかしいんですよね・・・。
彼両親が抱くジェンダー観を理解したときは、正直ショックでした。ただ、結婚前に気が付いて良かったとも思います。違いがわかれば対策を考えることができるからです。お互いの価値観を知るために、結婚前に「姓選択どっちにする?」と話してみるのは大切なことかもしれません。
姓選択についてパートナーと話し合う時に「やってよかったこと」4選
こんばんは。くりぃむです。
今日は、姓選択の話し合いの中で「やってよかったこと」をまとめてみます。
自分の珍しい苗字が好き&長女ということで妻氏婚希望だったのですが、夫の両親が大反対。婚約してから約1年間、夫と姓選択について話し合い、2021年3月に公正証書で事実婚しました。
今回まとめるのはあくまで私の経験談ですが、これから姓選択の話し合いをする方や、パートナーと大事な話し合いをする際の参考になれば嬉しいです。
【その1】お互いの状況を書いて整理する
会議では毎回、お互いの状況や考えていることを整理してメモにまとめました。
ポイントは…「誰の意見か区別して書く」「紙に書いて整理する」こと!
※もやもやした気持ちでも全然OK
そんなの当たり前でしょ・・・と思うかもしれませんが、実際に言葉にしようとしてみると「自分の意見」「親の意見」「世間の風潮」の区別が意外とついていなかったりします。また、紙に書き出すことで考えが整理され、メンタルも安定するという研究もあるみたいです。
ちなみに夫は「親を悲しませたくない」という気持ちが強いあまり、自分がどう考えているかは自覚していないパターンでした。(夫「親は妻氏婚に反対している」私「あなたはどう思うの?」夫「僕…??」)
また、「〇〇するとみんなに反対される」と思い込んでいたけれど、実際に「みんな」を数えてみるとごく数人だったというケースもあるみたいです。
書くことで状況も整理されるし、考えるのがつらくなったら一旦忘れて、冷静になったときに見返せるのでおすすめです。
【その2】動画や本で心理学を学ぶ
話し合いに向けて心理学の動画や本を読み、パートナーと話し合うコツを勉強しました。(「アサーション」「交渉術」などのキーワードで調べると色々出てきます。)
自分の気持ちを話すときに一番不安だったのが、「自分の希望はきちんと伝えたいけど、相手を傷つけたくはない」ということ。ちょっとしたコミュニケーションのコツを知っているだけでも不安が少し軽くなります。
たとえば…
①疲れているときや空腹時は話し合わない
②相手の話をさえぎらずに聞く、
③すぐに結論を下さない
④Iメッセージで伝える(相手を責めるのではなく、自分を主語にして話す)
最後のは少しわかりづらいですが、例えばこんな感じです。
△「名前を変えろだなんてひどい」
〇「名前が変わると、自分が自分でなくなるような感覚になってとてもつらい。」
△「あなたの考え方が古いのが悪い」
〇「私はあなたと対等な夫婦関係を築きたい。だから”女性である”というだけで改姓することはしたくない。」
自分にも言い分がある中で、相手の話をさえぎらずに聞くのは正直かなり大変です。でも、まずは相手の話をしっかり聞くことで、彼も同じように私の話をきちんと聞いてくれているように感じました。信頼関係を築くの大事!
★私が参考にした本はこちら↓↓
【その3】専門家に話をきいてもらう
夫と24時間話し合うわけにもいかず、下手に家族と話すとこじれる恐れがあり、引っ越したばかりで周りに友人もいなかった私がひとりで悩んでいたときの挙動がこちらです…
結婚したいなら自分が改姓しなきゃと思い詰めてた頃の私⤵︎
— くりぃむ@事実婚はじめました (@derisyaskurimu) 2021年3月27日
・突然家を飛び出す
・理由もなく涙が出る
・眠れない、話し合い後一睡もできない
・不安や怒りで目的に集中できない(目的の店の前を何度も素通りする。洗剤を買いたいのに売り場が見つかるまで思考が保ってられない)
今思うとやばい😳
あまりに苦しかったので、電話カウンセリングを受けました。
エキサイトお悩み相談から「夫婦関係」「家族関係」で検索、
その中かから「家族問題の相談経験2000件!」という行政書士の資格もあるカウンセラーさんを予約。1時間ほど抱えていた考えをバーーーーっと話してだいぶ救われました。
その中で言われたのは、
私のことは私が決められるし、夫のことは夫が決められる
という当たり前の考え方でした。
「彼が嫌がっていることを無理やりさせてはいけないです。」
「でも、選択肢を示して相手に選んでもらうことはできますよ。」
※カウンセリング後、考えられる選択肢を自分なりに書き出してみた図↓ 選択肢示すのも大事。
そこから紆余曲折ありましたが、最終的にはアドバイスに従って、
「私は改姓することはできない。自分が改姓してでも法律婚にしたいか、本来姓のままで事実婚にするかは夫自身で決めてほしい」
と提示し、事実婚することになりました。
このほかにも、専門家ならではのアドバイスをもらえてありがたかったです。
★私が利用したのはこちら↓↓
地元で開業しているカウンセラーさんでも良いですが、家族問題や最近の結婚事情に詳しい方を探せると、より安心だと思います。
【その4】「将来どういう関係でいたいか」から考える
上記のカウンセラーさん以外にも、とあるオンライン講座の先生からアドバイスをいただきました。
「”10年後や20年後、どんな二人でいたいか”から考えてみたら?」
自分にとっての答えは、「長く、無理なく、楽しく一緒にいられる関係でありたい」
でした。
姓は自分のアイデンティティ。”大事なものを夫に奪われた”と感じてしまうと、一緒に暮らすのがつらくなってしまう。 結婚を長く良い形で続けたいからこそ、私は自分の姓でいたい。
でも、彼自身にもつらいことは我慢してほしくない。
自分の希望も相手の希望も大切にしたい。
姓選択の問題は、姓をどうするか以前に、二人の関係をこれからどうしていきたいか話し合う場だと思います。「事実婚にする」というのは珍しい選択かもしれませんが、私たちにとっては良い選択だと考えるようになりました。
夫も始めは「普通と違う」事実婚にはかなり抵抗があったようです。ですが、これから何を大事にしたいかを考えると、それが一番いいね」と言ってくれました。
おわりに
今回のまとめは以上です!
姓選択の話し合い経験者の方で、自分の希望をパートナーに伝えるときに「やってよかったこと」があればコメントやリプをいただけると嬉しいです。
私やみなさんの経験が、少しでもこれから話し合う方の参考になると良いなと思っています。
次回は「話し合うにあたって”失敗しちゃったこと”n選」です(たぶん)
【事実婚】2度目の公証役場!手続きと出会い
こんにちは。くりぃむです。
先々週、遺言&任意後見契約の手続きのため、2度目の公証役場に行ってきました。
立会人を呼ぶなど、前回とは違うこともあり、面白かったです。
当日の出来事をまとめておきます。
※前回はこちら 公正証書で事実婚しました!結婚当日の流れ - くりぃむの日記 (hatenablog.com)
【遺言書】
所要時間:2人で40分くらい
持ち物:印鑑証明、実印、免許証、手数料
※書類の内容はこちら【事実婚】まだ30歳だけど遺言を書いてみた - くりぃむの日記 (hatenablog.com)
到着、本人確認。
公証役場へ到着。準婚姻契約書の提出で一度来たので迷わずたどり着けました。
前回同様、免許書のコピーを取っていました。
立会人さん到着
遺言の作成には2名の立会人が必要です。
引っ越したばかりで近くに知人がいないので、公証役場に手配をお願いしました。
やってきたのは司法書士さん&助手さん。二人とも女性でした。
廊下で待機
「遺言の手続きは本人と立会人のみで行うので、お一人は廊下でお待ちください」
というわけで、夫が先に手続きを行い、私は廊下の椅子で待機。
就職面接みたいでドキドキ…。
待ち時間、公証役場の看板の裏にキティちゃんがいるのを見つけました。笑
入場、いざ遺言作成!
廊下で待つなんて就活の時以来だな、と思っていたら、
先に手続きが終わった夫が出てきて一言。
「いろいろ質問されるから覚悟した方がいいよ!」
公正証書遺言は「本人が話したことを公証人が聞き取って作成した」という形になっています。そのため、公証人が遺言の内容を質問→本人が答える、という手続きがあり、本当に面接みたいでした。
もちろん、文面は事前に作成済みで、公証人のチェックも終わっています。
答えにつまっていると、思い出せるようヒントを出してくれて、
めちゃくちゃ誘導尋問でした。笑
音読&署名
誘導尋問が終わったら、あらかじめ作っておいた文面すべてを公証人が読み上げ、内容を確認します。間違いがないことを確認して、本人&立会人が署名。
手続き終了、立会人さんへお支払い
立会人さん2名×遺言2通分で、各1万円ずつお渡し。
お渡し用に封筒を用意しておけば良かった…。
後見委任の手続きは立会人不要なので、お二人はここで退場。
【任意後見契約】
所要時間:1時間くらい
持ち物:印鑑証明、実印、戸籍謄本、住民票、免許証、手数料
※書類の内容はこちら【事実婚】いざという時のために…任意後見契約書いてみた - くりぃむの日記 (hatenablog.com)
こちらは2人そろって手続き。
書面の内容を音読
→署名&捺印
→書面受取
で終了でした。
書面が20ページ弱あったので音読が大変そうでしたが、それ以外は普通でした。
終了後に、任意後見契約についてのレクチャーを受けました。
任意後見契約は「判断能力がなくなった」時に発動するものです。
いざその時がきたら、必ず家庭裁判所に申し立てをするようにと念を押され、
申し立ての方法と、注意事項を書いたプリントをもらいました。
最後に、手数料をお支払い。
遺言&後見委任で約16万円…。つらい。
【司法書士さんからのメッセージ】
遺言書作成の合間。
「今朝、ニュースで夫婦別姓訴訟が取り上げられているのを見ましたよ。」
と、立会人の司法書士さんが話しかけてくださいました。
ショートカットのグレイヘアが似合う、女性の司法書士さんでした。
「選択的夫婦別姓というのは、私が若いころから30年近く議論されています。
もうそろそろ司法も法制化に踏み切ってほしいですよね。」
私たちが公証役場に行った日は、想田さん・柏木さんの夫婦別姓訴訟の判決当日ということで、朝から話題になっていました。
日ごろから法律に携わっている司法書士さんにも、思うところがあったのでしょうか。
別れ際には、笑顔で「早く夫婦別姓が認められるといいですね」と。
初対面の私たちに直接言葉をかけてくださったことが嬉しく、また、応援してもらえたことが心強くもありました。
事実婚の夫婦としてスタートした日。
私たちの決断を、応援してくれる人がいることがわかった日。
日本人同士の別姓夫婦が、国内で初めて認められた日。
なんだか忘れられない一日になりました。
★ ★ ★
というわけで、手続き関係はだいたい終わりました!
帰りに遺言&後見委任契約を入れておく箱を買って帰りました。
小学生用のお道具箱、1320円です。笑
今後は、私たちが事実婚に決めるまでの経緯などもブログにまとめておきたいなと思っています。
【事実婚】いざという時のために…任意後見契約書いてみた
こんにちは。くりぃむです。
約2か月、事実婚のために、様々な証書の作成をすすめてきました。
最後の書類は…
「委任契約、任意後見契約及び死後事務委任契約公正証書」(移行型)
ざっくり言うと
・ 「私に何かあった時のことは、この人に任せてください」という内容を、
・「普段」「判断能力がなくなったとき」「死後」の3契約に分けて
1つの書面にまとめたものです。
それぞれの契約書の内容を簡単にまとめました。
参考↓ 文面例も見ることができます。①~③を別々に作ることも可能です。
委任・任意後見・死後事務委任 | 加古川公証役場
①委任契約
判断能力があるうちから、生活・療養看護・財産の管理について依頼する。
病気などで自分で行動できない場合に必要。
【依頼の内容例】財産の管理、生活に必要な物品購入等、保険契約関連、市役所等での手続き、医療・治療・介護に関する手続きなど ※自由に決められます
②任意後見契約
認知症など、自分で判断ができなくなった場合の後見人になってもらう。
財産の管理&介護・生活面の手配が中心。
・配偶者の判断能力が低下したら、家庭裁判所に後見人選定の申し立て
・主治医やヘルパーから説明を受け作業を進める
・任意後見監督人(弁護士等)とのやりとりも行う
・①に加えて、住居関連の契約、遺産分割等の協議、登記関連を代理
③死後事務委任契約
死後の様々な手続きを依頼する。
通夜・葬式・埋葬など、死後の財産に関する手続き、身辺整理など。
今回は①~③まとめて1つの書面にしましたが、バラバラにつくることも可能です。
手数料
①~③の3本立て、【夫→妻】【妻→夫】の2パターンで公正証書を作成。
55,000円×2名分=110,000円かかりました。
【ざっくり内訳】公証役場の手数料 11,000円×3本×2人分、枚数に関わる手数料 17,000円×2人分、登記手数料 5000円×2人分(※行政書士さんへの依頼料は除く)
感想
手数料だけでなかなかのお値段!! (毎度言ってる気がしますが)
別姓婚できないので、現時点ではこれがベストだと思いますが、
金銭的負担は大きいです。
法律による保証の差は大きいなと改めて感じました。
一方で、「結婚」が法律上ではどんな契約なのかを知れたのは面白かったです。
契約書を通して、相手の人生のどんな部分を請け負うのかはっきりしました。
「他人の手続きを自分がやる」ことが保証されて、
しかもそれが嬉しい関係ってなんだか不思議ですよね。
結婚以外なさそう。
来週は作った書類を公証役場に提出してきます!